「とうとう告ったか。オヤジ好きの淫乱女子高生め」
さっきまで難しい顔をしていたかと思いきや、いつものジローの悪魔フェイスが舞い戻ってきたようだ。とげのある言葉はあの頃と変わっていない。
「先生はオヤジじゃなくて、王子様なんだよーーーー!!」
「バーカ、誰がどう見たってオヤジだろ。初めて会ったときから、お前の趣味の悪さにはついていけねえと思ったよ。でもオヤジが王子ってネタ、なかなか面白いな」
最近の彼はやけにおとなしかったから、久々にあのジローに会えた気がして嬉しい。
「あ!そうだそうだ、話ってなに?」
「そうそう。本題はそれだったな」
当初のジローの言葉を思い出した私は、彼に問いかけた。
何も知らない私は、いつものごとく鈍感な顔をしてジローの答えを待つ。
「俺も春川みたいに、自分の本音に正直になろうと思ってな」
「うんうん、それで?」
きょとんとした眼をしながら言い返した私の顔を見て、ジローは一瞬笑ったかと思ったが、彼の言葉はすぐに続いた。
