「春川さんが好きになってくれた気持ちは嬉しいけど・・・俺なんか意外と、人の気持ちわからないところがあってね、今まで友達も少なかったこともあって」
「そうだったんですか。そんなふうにはとても見えないけど・・・」
「何も考えないって俺は楽だけど、でも周りでは結構迷惑なこともあったみたいなんだ」
初めて聞く、先生のプライベートな話。
何も考えていなさそうな陽気さの裏には、そんなことがあったのか。
「だけど不思議だね。俺は人の話をこうして聞くことが苦手だったのに・・・春川さんが直球すぎたからかな、こうしてまともな返事が返せたのも」
先生は切なそうな顔で、私に笑いかけた。
最後の最後で加藤先生の「素」に出会えた気がした。
私も黙ったまま、ニッと笑って答えた。
