トイレの個室に入った私は、ひとまず深呼吸をする。 自分のしてしまったことをどう先生に説明したらよいのか。 そんなことばかりをぐるぐる考えている。さすがに「やりすぎ」を自分でも自覚しているのだ。 冴えわたる頭も冴えすぎているからか、リアルな妄想に鳥肌さえ立ってしまう。 「愛しい」という感情の魔力とともに、脳内の威力の恐ろしさを、私は痛感した。 少しは現実を見て生きていたつもりだったが。そう思い、私は便座から立ち上がると、勢いよくトイレのドアを開けた。