妄想にかられて、場にあわない声を漏らす。
こんなことには慣れていたはずだったのだが、今回はマグニチュード8レベルの大震災である。
我に返った私は、とっさに自分の声のでかさと、顔にこもった熱の熱さにおののくが・・・
それよりもはるかに事態の深刻さを察知したであろう加藤先生は、ものすごい大きな足音とともに、教室に駆けこんできた。
「なんかっ!すっごい大きな声がしたんだけど・・・大丈夫、大丈夫!?」
こんなにあわてている先生の顔は、初めて見たかもしれない。それだけ私の声が、周りに悪影響を与えたということでも遭った。
