そうして冴えわたる頭に、一筋の光がさした気がした。
「春川さん、授業お疲れ様」
そう言いながら、脳内の先生は私にほほ笑んだ。私の一番大好きな、飾らないいつもの笑顔を浮かべて、
「は、はひっ!」
あまりのリアルさに、ヒロインの私は私で、いつも通りしまりのない声で返す。
「俺のメガネ外した顔が好きなんだって?」
「いや、そんなことは・・・別に」
恥かしくなった私は目をそらすが、先生はそんな私のほっぺにさっと両手を添えると、私の瞳の中をぐいーっと覗きこんでくる。
「なに、認めないの?じゃあもう二度と、春川さんの前でメガネ外さないことにしよっかな」
そうわざとそっけなく言ったような先生に、焦った私は続けて応えた。
「うそ、好き!好き・・・大好き!だから・・・メガネ外さないなんて言わないで」
