問題を一通り解き終えた私は、問題がなくなっても未だに冴えわたる頭を持て余す。 そんなときにすることと言えば、妄想に尽きるだろう。 先生と同じ空間にいるだけでときめく心、湧きあがる愛しさ。 加えて頭が冴えようものなら、今日は最高の妄想ができるに違いない。 そうして私は、いつもと一味違った頭で、妄想劇を繰り広げるわけだ。 もちろん先生はさっき教室を出て行ったばかりなので、当分戻ってこない。 奇人にとっては妄想もひとつの「行為」なのである。