それからどれくらいの時が経ったのだろうか。 状況からしておそらく、数分くらいだろう。 ふっと目を覚ました私は、自分が何か温かい物体に乗せられていることに気づく。 人が歩く速さと同じくらいのゆっくりとしたスピードで、街の中を進む。 こんな生温かい車があるもんか。 ぼんやりとした意識の中で、私はそう思った。 ならばこの乗り物の正体は、何だというのか。