ナガレの騎士 ～光の竜と呪いの姫～

「よろしくない光景だな、シャーロット」



「ええ。確かに似つかわしくはない光景ではあります」




聞こえたのは、少し低い声と高い声。
男の人と、女の人。





スッ・・とおそるおそるつぶっていた目を開けば、
おじいさんの握っていたナイフははじかれていた。





「君ねぇ・・・。
似合っているとか合っていないとかそういうことではないだろう？
相変わらず君は・・・論点がズレているね」




「いいえ。私が申し上げたのは、そういうことではありません。

表現が遠回しなのは私の配慮が足りない所でしたが、
理解力に関しましては旦那様が原因です」




その言葉に男の人の空気が凍る。




「・・・君のような面倒な従者は今後二度と呼ばないようにするよ」
「ありがとうございます。
私も旦那様のような方よりもっと言葉の分かるお方を主人に選んだほうが
よっぽど仕事がしやすいですから」



「・・・・」


「・・・・」







「おまえら！何してくれるんだ！」



妙なことに口論を始めている2人。
おそらくアンリにとっては救世主(？)であるはずだが。



ケンカを始めた2人に老人が怒鳴る。
助けてくれたのかと思ったら喧嘩なんか始めて、一体どういうつもりなのか。




・・うぅ・・・怖いよ・・・。あの人たち誰・・・？