スポドリ、タオル、テーピング…その他もろもろ。
んーテーピングが足りないなぁ。
みんなよく突き指するからな。
あと5箱買おう。
「ねぇ、まだ?」
「んーあとちょ…なんで高梨がいるんだよ。帰ったんじゃなかったのかよ」
「頑張ってるマネージャーを置いて帰れないよ」
「……そう思うなら、練習サボるなよ」
「あはは、そうだよね」
高梨は中身のない笑顔を浮かべる。
私はそういう笑顔が好きじゃない。
気にくわないから真顔で高梨の顔を見つめた。
「なぁ。高梨。一つ聞いていいか」
「ん?どうしたの?」
「ここマネ部室だからな。あたかも当たり前みたいな顔で入るなよ」
「いいじゃん、市ノ瀬だけだし」
「そうだな、私は女じゃないんだな」
「…はやく準備してよー」
「………」
いつもはバレー部の連中と帰るか、もしくはマネのみんなと帰るかどちらかだった。
今日は救急箱の確認しなきゃならなかったし、バスケ部と卓球部は早めにあがったから誰もいなかった。
一人で帰ることはよくあった。
珍しく気を使う高梨に違和感。
荷物を持って立ち上がる。
「残ってるの高梨だけ??」
「うん、みんな帰った」
体育館の外はもちろん真っ暗で、いくら春でもかなり寒い。
「なんで待ってたの、いつもは帰ってるくせに」
「んー?なんとなく」
「なんだよ、それ」


