強制的に4人をコートの向こう側に立たせる。
その4人にスパイクを5本ずつ打たせると、反対側のコートにショートカットの髪を小さく一つ結びにした私が入る。
えっと驚いた1年。
察したんだろうか。


「ルールは簡単だ。スパイクを打て!!5本決めた奴から、コートを出ろ」

「もしかしてマネージャーさんがレシーブするんですか!?」

「そう!さ、頑張れ1年!!」

「ドンとコイッ!!!!」


私が叫ぶとセッターの達弥がトスを上げる。
一人目…甘い!
手のひらにちゃんと当たらなかったのか、もしくは女だから手加減したのか、簡単にボールは私の腕を経て高くあがる。
もちろん落ちるのはセッターのいるべき場所。


「甘いぞ~?次!!」


次の球はなかなかのスピード。
でもその球も私は腰を低くレシーブ。
またもやネットギリギリに落ちる。
ボールが落ちたボンっという音が大きく響いた。
次の瞬間、おおっと歓声があがる。


「どんなもんだい!!」

「ひぇー女じゃねえ!相変わらず!!」

「へへ、褒めるな褒めるな、橘」

「褒めてねぇよ!」


それからも私は彼らのスパイクを受けては上げて受けては上げて…たまに落として。
2人クリアしたところで体育館の重い扉が開いた。


「おっやってるやってる!!」

「おい、遅刻だぞ高梨!!」