体育館の扉に手をかけ、思いっきり開く。
重い扉がなんとも好き。
「オーッス!!」
「来たな、市ノ瀬」
「おい、みんな集合!!!」
キャプテンの合図でその場のバレー部が全て集まる。
3年4人、2年5人、1年10人。
まだ全員じゃないが、いつもより倍以上ある人数に少し戸惑う。
私とキャプテンを前に男達が整列していく様は、自分が何かの教官になったような気分だった。
「おい、集合とは言ったけど2、3年はこっち来いよ!」
「ああ、確かに!」
みんな笑いながら此方側に並ぶ。
どうにも締まらん連中だ。
そんな雰囲気が好きなんだけど。
「では改めて…キャプテンの二木秀です。ポジションはセンター。よろしく」
小さな拍手が広がる。
キャプテンは前にでると威厳がでる。
俺がキャプテンだっというオーラがでる。
「コイツが2年のマネージャー、市ノ瀬真兎。女だとナメたら思ったら大間違いだぞ」
「市ノ瀬真兎です。中学からバレー部でした。よろしく!」
またも小さな拍手。
キャプテンが私をちらりとみて、ニヒルに笑った。
その意味を捉えて、私も同じように笑った。
「おっと、早速始まるんですか!?」
「容赦ないっ!!」
2、3年も意味に気がつき私たちを茶化す。
全く意味が分かっていない1年生のキョトンとした顔がなんとも幼い。
「スパイカーやりたい経験者、挙手」
恐る恐る手を上げる1年。
数えれば4人て感じだ。
十分!


