スケールがデカい。
なんだか小説とか漫画とかドラマとか…そういう非現実的なものを聞いてる気がした。
「ここまでなら、涼平くんがかわいそうなだけ。涼平くんはお母さんと女の人を重ねて、恋人をとっかえひっかえしたの。私もその1人。時には暴力も受けた。…でも涼平くんが好きだったの」
「…そっか」
「暴力のことをクラスの男子に相談したら…私が浮気したってう噂が広がって…涼平くんと別れた。…でもまだ好きなの!!」
…とても辛い話だと思った。
まだ関さんは高梨が大好きなんだともわかった。
ただ…同情は出来なかった。
第六感が、私のカンが何か違う、と訴えてくる。
高梨が暴力…?
まあ、関さんには言えないんだけど。
「ね、涼平くんは良い人じゃないの」
「…そっか…」
良い人だよ高梨は。
…いや優しい人だ。
まだちゃんと知って3カ月しか経ってないけど、高梨は優しい人。
人をちゃんと見られる人。
誰にでも笑える人。
でも関さんはイエスしか言えない雰囲気を醸し出す。
何だろう、私に冷たい?
「…教えてくれてありがとう」
いつの間にか私のストローは噛んでぺちゃんこになってた。
「ううん。役に立ててよかった」
関さんは機械的に笑った。
…私関さん苦手かもしれない。
分からないよ。
関さん、…何がしたいの?


