とりあえず高梨を少女漫画の空間から出して、今度こそ水着買いに来れた。
ここまで長かった。


「いらっしゃいませ」


美人な店員が迎えてくれる。
いざ水着を買うとなると…うーん悩む。


「なあ、ここって俺ら入って良いの!?」

「いんじゃない?別に下着屋さんじゃないんだから」


あたふたする彰人。
何気にヘタレだなあ。


「市ノ瀬~これは~?」


すでに水着選んじゃってる高梨。
お前が着るんじゃないからな…?
高梨のセンスはどんなもんだろうか、と恐る恐る見に行く。


「なっ///び、ビキニ…だと!?」

「え、ダメ?」

「ダメというかその…なんだ…露出多すぎやしないか!?」


ビキニとか大人の女性が着る水着じゃないのか!?
かと言って、スクール水着を着るわけにも行かない。


「水着って露出多いものじゃないの?」

「正論ですが!…む、胸がないとです!!////」

「っく、ははは!!!」

「笑うなっ!!!」


こちとら真剣なんだよ。
見せる胸ないとか、もう何のために水着を着るんだ。
羞恥プレイか。


「はあ…別に市ノ瀬はペチャじゃないよ」

「根拠ないだろ、そんなの!」

「あるよ、根拠」


なんで分かるんだお前に!
すると高梨はそっと顔を近づけて、耳打ちした。


「押し倒した時に分かった」

「んなっ!!!////」


あの時かあああ。
しかも耳元で言うもんだから、鳥肌がたった。
あの光景を思い出すと、急に恥ずかしくなった。