「で?水着ちゃんとあるの?」


機嫌直るどころか満面の笑みで私をみる高梨。
おいおい、いつから話聞いてたんだ。


「な、ないから困ってるんだろう?」

「一緒に買いにいってあげよっか?」

「はぁ?別に一人でいけ」

「じゃ、俺も行く!」

「あ、彰人!?」


ええ?
なんでそうなるんだ?
別に一人で行けるし。
水着を男と買いに行く!?
それはやだ!!
必死に椎名に視線を送る。
椎名は私の視線に気が付いてちょっと悩んで笑った。


「私はいいや!」

「ええ!?なんでっ!?」

「いや~夏前には塾入る予定だから~」


いやいや嘘だよね?
その顔は嘘ついてる時の顔だよ。
棒読みだし!


「それじゃ仕方ないな、再来週の日曜日、駅前のショッピングモールだな!」

「なんでそんな決めるの早いんだよ!!」

「いいじゃない、楽しんでらっしゃい」


ダメだ!
椎名なんか企んでるよ!!!
全く分かんないけど!!


「楽しくないよー!!!!」


高梨家に私の叫びが木霊した。


ちなみに今回の期末の結果は…


「俺セーフ!赤点は逃れた~!!」

「はあん?私、前回より50位あがったぜ!」

「2位か…ちょっと悔しいな」


私達3人は各々の目標を達成した。
ん?あと一人?あいつはね…
私は張り出された順位を見上げる。
そう、椎名の上。


「ほんっとムカつくわ」

「妬まない妬まない」


1位 783点 高梨涼平
私は隣の高梨を睨み付けた。


「なんでお前はなんでも出来るんだよ!!」