重い空気になってしまった。
フォロー出来ない。
何があったか知らないから。
「…飲み物おかわり持ってくるね」
高梨が立ち上がり、部屋を出て行った。
誰よりもこの沈黙に耐えられなかったんだろう。
「椎名?」
「大丈夫…ていうかね、その噂、関さんから聞いたの」
「え、関さんから!?」
「それって関さんが嘘ついてるってことか?もしくは涼平が意地張ってるか」
高梨が意地張ってるようには見えなかったけどな。
なんのために関さんは嘘ついてるんだろ?
頭こんがらがってきた。
「だああもう難しい話は勘弁!本人いないから確認出来やしない!」
嘘。
本当は気になる。
だってあんな高梨みたことなかったから。
ヴー ヴー ヴー
私の携帯だ。
メールを確認するとキャプテンからだった。
from.二木秀
sub.夏合宿のこと
期末試験の勉強頑張ってるか?
赤点は取るなよ、合宿行けなくならな。
夏合宿のトレーニング、考えて置いてくれ。
p.s.
水着、忘れんなよ!
「まじかーい!!!」
「なんだよ真兎!突然デカい声出すな!」
「いや、この前のリレーでバスケ部に勝ったから、合宿で真中先生と私が脱ぐことになったんだ」
「うわお、止めとけ止めとけ。貧相な体を見せびらかすな、目に悪い」
「黙れ!女の価値は胸じゃない!」
「胸は男のロマンだ!そもそもお前はなんだ、女か?」
「ああ、女だとも。胸が小さくとも心は広い女だとも」
「うるさい。あんたたち、ここ他人の家なんだからね」
「「…ごめんなさい…」」
そうでした、高梨家でした。
しかもかなりリッチだから、お母様が怒ってしまわれるのでは!?
「はは、気にしなくて大丈夫。お袋は俺が友達連れてきて、喜んでるよ」
飲み物を取りに行った高梨が部屋に戻ってきた。
機嫌は戻っている様だった。


