私は高校2年生。
男子バレー部のマネージャーをしている。
成績はまずまず。
後ろの席の椎名は常に学年3位以内。
私もよい友達を持ったものだ。


「あのさ、真兎。ちゃんと課題位したらどうなの?」

「ごめん無理。セロリ食う並に無理」

「わかった。セロリ買ってくるから口開けて待ってて」

「鬼!!!!!」


こんな風に毎回課題を移させてもらってる。
私の学校のバレー部はそこそこ強い方だから、夜遅くまで練習してる。
もちろん、マネージャーは女子だから早く下校できるっていう待遇はない。
そもそも私が帰る気がない。


「終わった!サンキュー椎名♪」

「なら、あそこにいる奴のとこにいきなよ。男子がざわめいてる」

「あそこ?」


椎名の指差す方、教室の後ろの扉から顔を出すのはバレー部副顧問の真中愛理先生。
美人で優しい。
そんな先生は男子生徒の注目の的だ。
先生は私を見つめている。
なんだろうと先生の方へ向かう。


「どうしたんですか?真中先生」

「真兎ちゃん!大変!新入部員が10人よ!」

「おお!!!でも経験者は5人くらいですよね」

「よく分かってるのね!今日から来るから、真兎ちゃん頑張って♪」

「了解しました!」


じゃあねと言うと先生は廊下をスキップして行った。
なんというか恥ずかしい。
10人か…ニヤニヤが止まらない。