そう考えると、まるで今は高梨が好きみたいな…。
いや、別に嫌いじゃないけどさ。
「ねえ、高梨くんってさ。どんな人がタイプなの?」
「タイプ…は特にはないな」
「え!?椎名ちゃん…涼平に気があったり」
「しない」
「…そっすか」
彰人がすごい目で見られてた。
椎名の目から、空気ヨメっていう光線が出てるみたいだ。
「…関さんについて聞いていい?」
「うわ直球だな!まあ、良いけど」
ちょ、関さんネタはキツいんじゃない!?
鬼だよ、椎名鬼だよ。
元カノの話しちゃう!?
「何から話せばいいのかな?」
「どこが好きだったの?」
「んー、おとなしい所とかかな?」
確かに関さんおとなしいイメージ。
ちょっとミステリアスな雰囲気もあるかな。
「今は好きなの?」
「好きじゃないね、今は」
ぞわっ
あれ、今すごく嫌な感じだった。
いや今からじゃない、関さんの話になってから高梨は少し冷たかった。
私高梨と一緒にいるとき、度々感じてた。
「そう、噂は嘘なんだ」
「噂?」
「高梨くん、まだ関さん好きでやり直したいって噂」
「は?誰が言った?」
「っ!」
「ちょ、高梨怖いぞ?!」
本当に怖い。
目が、怖い。
椎名が攻められて怯えたから、作った笑顔で止める。
「…っごめん」
高梨は我に戻り、頭を抱えた。
関さんとなんかあったのかな。
