「うっしゃあラストォ!!」


クラス対抗リレー。
練習の成果を見せてやろう!
毎晩キュウリ持って、賢一と練習した。
賢一の「俺受験生なんだけど」という言葉を無視してやった。


「お前らぁ!1位とったらアイス奢ってやる!!」

「言いましたねキムさん!?ダッツね!!抹茶!」

「俺ティラミス味な!!」

「じゃ俺チョコクッキーで」

「私ストロベリー」

「ダッツは高…ておい!話聞け!!」


4人はキムさんの一言でモチベーションが上がった。
隣のクラスの担任の真中先生は私たちをメチャクチャ睨んでいたが、そんなのへっちゃら!
ダッツのために!!


「位置について、よーい…」

バァンッ


椎名は走る。
7組中3位。
まずまず。
彰人へのバトンパス…


「あ!」

「やばっ!!」

「椎名!!」


失敗。
バトンが落ちた。
即座に彰人が拾う。
6位。
彰人がヌーのごとく暴走する。
…あれを受けられるのは私くらいしかいない!!!


「真兎っ!!」

「あいよ!!」


バトンパスは成功。
なんと彰人がバトンパスの時点で3人抜き、2位。
なんとか高梨に繋げ!!
あいつなら1位にしてくれる!!
ダッツのために!!!

私は1位のD組と一緒に高梨にバトンパス。
…バトンが触れた時に…押す!!


「高梨!!」

「うしっ!」


高梨は部活対抗リレーの時より速いんじゃないかってくらい速かった。
D組のアンカーは陸上部なのに高梨は抜いた。
ゴールテープを切る。


「よっしゃあああ!!!!!」

「高梨くん!!」

「涼平!!」


やった!ダッツだ!!
すると高梨は呼吸を整えながら、私の頭を撫でた。


「はぁっ…市ノ瀬の…バトンパスのおかげっ…!」

「えっ」

「ありがとう」


急に体温が上がった気がした。