私は今非常にウズウズしている。
目の前に広がる光景を見てウズウズしている。
「男に生まれればよかったあああ!!」
「うるさい恥ずかしい」
男子が棒倒しをオラオラやっているのがうらやましかった。
なんかカッコイいじゃん!?
高梨と彰人は先陣きって戦っていた。
細マッチョの高梨は何故だか白(敵)に集団的に狙われて動けなくなっている。
なんだか白組のやつら、個人的な恨みを持ってるよう…
彰人はあまり狙われてないが、高梨ほど筋肉質じゃないので、白組のラグビー部に飛ばされてた。
…情けない。
「涼平!!肩借りる!!」
「…!!よし、乗れ彰人!!」
彰人が高梨の肩に足をかけて思いっきり飛んだ。
猿みたいだった。
「彰人!!あぶねぇよ!!」
彰人はそのまま敵の棒に捕まった。
本当に猿みたいだ。
心配した私がバカだった。
「うぉおりゃあああ!!!」
棒を支えてた奴らも口あんぐり。
飛んできた人間が奇声を発して、棒を倒そうとしている。
そのおかげか、敵の棒はゆらりと倒れた。
「っしゃあ!!」
「ナイス、彰人!」
高梨と彰人はハイタッチ。
汗臭い青春の一ページのようだ。
「うああ男に生まれればよかったあああ!!」
「………(他人の振り)」
私の大好物は汗臭い青春なんだ!!
うらやましい!!
戻ってきた高梨と彰人は私に手のひらを向けてきた。
「え?」
「応援してくれたからね!」
「お礼くらいしてやるよ!」
「お前ら…」
私は思いっきり2人の手のひらを叩いた。
パシィッ
そりゃあいい音だった。
隣で椎名が汗臭っとつぶやいて微笑んだ。


