~♪♪~~



ケータイのアラームが鳴り響く部屋。
眉を寄せ、アラームを止める。

あー、またいつもの毎日が始まる。


「ってか、ベタなスタートだな」


誰に話しかけるわけでもない独り言。

あと5分と言いたいところだが、過去の私はよくわかってる。

アラームはギリギリにセットされている。
ああもう、と全力で準備を始めた。

私の特技、朝の電光石火である。
起きて20分で家を出た。







キーンコー「グッドモーニン!!」


滑り込みで教室に入る。
我ながらなかなかの登場。
鐘ぴったりとか、なんて有意義な朝なんだ。


「はいはい、真兎どいて」

「おぉ!!椎名!!はよっ!!」

「早くないよ。遅刻ギリギリじゃん」

「冷静にいってるけど、椎名もギリギリだかんな!」


椎名舞香。
クールビューティーとは彼女の事。
言ってることは毒舌。
なんとも怖い女だ。
実はエロいネタもいける大人の女でもある。


ベシッベシッ



「でっ」

「うっ!」


私たちの頭に教科書が落ちてきた。


「扉の前で何してんだ。邪魔だぞ、市ノ瀬、椎名。席着け」

「ぼ、暴力だっ」


担任の木村純。
通称キムさん。
年齢29才。独身。彼女無し。
彼のタイプはボインだそうだよ。