ローテンションのまま午後の部へ。


棒倒し。
男子だけの競技だけど、なんだか女子も盛り上がってる。


「きゃあ!菊池くんの腹筋!」

「白石くんの鎖骨!!」

「いやーかっこいい!」


…変態か?
男子達は男の戦いだっとか言って、みんな上裸になる。
審判のはずのキムさ……キムチさんも何故だか上裸だ。
あ、彰人案外筋肉あるんだなあ。


「おい!真兎!」

「なに、彰人」

「俺筋肉ヤバいだろ!」

「筋肉自慢かっ!まあ、小さい時よりは男らしくなったんじゃない?」

「はっはっは!棒倒しみてろよ!男らしい俺に惚れるかもな!!」

「誰が惚れるかボケ」


お互い手をグーにしてくっつけた。
小さいときから、応援するときはこれをする。


「た、高梨!」


彰人の隣にいた高梨を呼ぶ。
次は騎馬戦だし、リレー前には謝りたかった。


「うん?」

「さっきは…ごめん。私なんも知らなくて…だな…」

「彩音のこと?気にしなくていいよ。むしろ、あそこで彩音を助けた市ノ瀬を尊敬してるし」

「本当か?ならよかった…」

「じゃお詫びってことで」


高梨はグーにして私に手を向けた。


「応援してよ。俺頑張るから」

「…負けたら、部活の外周、お前だけ倍な?」

「きっついなーうちのマネージャーは!」


コツンと私の拳を合わせた。