男勝りな私の恋の仕方。



「選手は練習しろよー!以上、ホームルームおしまい!」


適当極まりない担任のホームルームが終わった。
残ったのは選抜リレーの面子。
今日は週2のバレー部の休みの日。


「椎名ちゃん、俺、真兎、涼平の順でいい??」

「私彰人の突出、受け止められないけど」

「かと言って椎名ちゃんを怪我させらんないし?俺アンカーとか向いてないし?」

「ただのチキンじゃねーか!私なら怪我させていいんか!」

「大丈夫、俺真兎信じてる」

「早く始めない?」


しびれを切らした椎名が呆れた視線で私達をみる。
隣で高梨が私達のやりとりを見て笑っていた。
走る順番に抵抗できないまま、私達はジャージに着替えてグラウンドに出た。


「一回やってみよう!!」


彰人の軽いノリで一度走ってみた。
1人250メートル。
計1000メートル。

椎名から彰人へのバトンパスは見事に失敗。
彰人から私へのパスは、お前ら初めてか?的なレベルにうまく行った
彰人が全速力で走ってくるもんだから、私はひぇい!とか言う雛鳥みたいな声を上げた。
彰人の全速力はヌーのごとく必死だった。
バトンパスが上手く行ったのは私のおかげだろう。
私から高梨へのパスはギリギリ成功だった。


「私と松田くん、真兎と高梨くんで練習した方がいいわね」


高梨と2人?
椎名の指示は正しいが、あまり嬉しくない。


「頑張ろー市ノ瀬!」


笑う高梨なら許せてしまうのは何故だ。