外はそれはもうないくらいに晴れてる。
真っ青で、雲ひとつなくて。
ぽかぽかとした暖かい日差し。
11月には珍しい暖かい日なのに。
何で私に起こることは反対で、メランコリーなんだろう。
「…今何と仰せに?」
私はごくりと息を呑んでそう聞き返した。
嘘だ嘘。絶対に嘘。
今聞いたことは絶対に嘘だ。
「だから、お前の執事だ」
もう1度父様から発せられた言葉。
隣では母様が困ったように苦笑い。
その全てが夢のように思えた。
もの凄く夢であって欲しい。
こんな現実アリですか。
現実逃避行したいなー…。
つまり父様が言うには私に執事をつけるということ。
執事と言っても私専属の。
私は世界有数財閥グループ・旺宮グループの跡取り娘。
生憎父様と母様の間に男児が恵まれなかった為だ。
私のまわりは執事なんて男の影はなく。
侍女に囲まれて育った。

