ハナの家族

「ママはいないの?」


「逃げ出しちゃったみたいだよ」


さっき、顔を覗かせた男の人が言っている。


「3匹置いて行っちゃったの?」


『ミャウミャウ、ミャウ』
(ううん、違うの お母さんはすぐに戻って来るの)


あたしは精一杯言ってみる。


だけど、ネコの言葉は分からないみたい。


お兄ちゃん達は身を縮こまらせて
お母さんを呼んでいた。


「お母さん、助けて どこに行っちゃったの?」
「お母さ~ん」


その時、女の子が手を伸ばして
2番目のお兄ちゃんに手を伸ばしたの。


『ミュー!』(やだよ、助けて!)


お兄ちゃんは精一杯鳴いた。