「このドレスなんて、愛花、似合うだろうなぁ。」
あるのは、真っ白なウェディングドレス。肩まで出す感じで、細身の愛花には、似合い過ぎるに違いない。仮に世界中の人々が似合わないと、僕に意見してきたとしても、僕は抗おう。それくらいに気に入った。
もっとも、愛花が嫌だと言ったなら、首を縦に振るしかなくて、例え、隣にあるやや色の入っている嫌いなデザインのドレスを着たいと言っても、“いいよ”と二つ返事してしまうくらいに、彼女にベタぼれなのだが。
「絶対、絶対に似合う。うん、そうだ!」
感極まった僕は、思わず叫んでしまった。すると、目の前を通り過ぎたパピヨンが驚き、その後すぐに一緒に散歩していたおじいちゃんが驚き、僕の顔を見た。気恥ずかしくなったが、いきなり立ち上がるのもあれだし、そのまま座っていた。おじいちゃんも見たはいいが、この目が合ってしまった状況を、どうしたらいいか決めあぐねたらしく、しばらくの間、まるで恋人のように見つめあっていた。
「ど、どうも。」
おじいちゃんからやっと出てきた言葉。これをきっかけに、おじいちゃんの恋焦がれているかのような視線は終わった。
「・・・」
それでもおじいちゃんが視界から消えるまで、何も出来ずにいた。いや、おじいちゃんの背中を、ずっと見送っていた。
あるのは、真っ白なウェディングドレス。肩まで出す感じで、細身の愛花には、似合い過ぎるに違いない。仮に世界中の人々が似合わないと、僕に意見してきたとしても、僕は抗おう。それくらいに気に入った。
もっとも、愛花が嫌だと言ったなら、首を縦に振るしかなくて、例え、隣にあるやや色の入っている嫌いなデザインのドレスを着たいと言っても、“いいよ”と二つ返事してしまうくらいに、彼女にベタぼれなのだが。
「絶対、絶対に似合う。うん、そうだ!」
感極まった僕は、思わず叫んでしまった。すると、目の前を通り過ぎたパピヨンが驚き、その後すぐに一緒に散歩していたおじいちゃんが驚き、僕の顔を見た。気恥ずかしくなったが、いきなり立ち上がるのもあれだし、そのまま座っていた。おじいちゃんも見たはいいが、この目が合ってしまった状況を、どうしたらいいか決めあぐねたらしく、しばらくの間、まるで恋人のように見つめあっていた。
「ど、どうも。」
おじいちゃんからやっと出てきた言葉。これをきっかけに、おじいちゃんの恋焦がれているかのような視線は終わった。
「・・・」
それでもおじいちゃんが視界から消えるまで、何も出来ずにいた。いや、おじいちゃんの背中を、ずっと見送っていた。


