誠を通して見たもの…

外が白みかけてきた頃



「……やっと、寝たか」



隣の布団で穏やかな寝息を立てて眠る吉田。その様子から安心して眠っていることが窺えそっと胸を撫で下ろす。


吉田が眠れていないことには直ぐ気付いた。日に日にボーッとすることが増えたかと思えば、目の下にはうっすらと隈が出来ていた。


何か思い悩んでいることがあるのだろうか、辛くなったら吉田の事情を知っている近藤さんや総司や斎藤に何か相談するだろうと思いそっとしておいた。だけど、吉田は相談するどころか、寧ろ皆に悟られないようにと隠すだけだった。


何で頼らねぇ…
何故、俺達に遠慮する


そんな吉田が焦れったくて…痛々しくて…俺は行動した。


二日前から井戸で嘔吐していたのも知っていた。もし今夜、三日続けての嘔吐をしたら問答無用で聞き出そうと思った。


寝ずに待っていれば、吉田が寝ている部屋の襖が開く音が聞こえ、足音に聞き耳を立てれば井戸の方へと向かったのが分かる。俺は布団から起き上がるとその足音を追い掛けて井戸へと向かった。