誠を通して見たもの…

「土方さんの手はゴツゴツしてて硬い武骨な手だけど、とても温かくて優しい…。

直接土方さんの温もりが、優しさが伝わってくる。

さっき土方さんが私の涙を拭ってくれた時、私はちゃんとこの時代で生きてる、これは夢じゃないんだって思えたんです。

土方さんの熱を、温もりを感じて私はこの時代で生き、存在してるんだって…、不確かな存在ではなく、ちゃんと実体の有る確かな存在なんだってやっと、やっと実感出来た…。

ねぇ…、土方さん?

私、あの暗くて狭い納戸で一人で寝るのは怖い…。

今夜は土方さんの温もりを感じてたい。

だから、手を繋いだまま此処で寝ても良い……?」






「……随分と、買い被りな気もするが…まぁ、悪くねぇな…。

お前の望み通り、朝まで手を繋いでてやる。

だから…、泣くなよ……」



「……っ」



再び困った顔をして見せた土方さんだったけどそれは一瞬で、次に見せた顔は今までに見たこともないような優しさに溢れ、何処か照れているようにも見えた。