誠を通して見たもの…

嗚呼
土方さんには敵わないや…
いつだってちゃんと、私を見てくれてるだね
だから、私が吐いてる時わざわざ来てくれたんだよね?


本当は、こんなこと誰にも知られたくなかった。


余計な心配事を増やしたくなかった。


私に費やす時間が有るのならもっと別な事に使って欲しかった…。


心の何処かで、知られたのが土方さんで良かったと思っている自分が居る。


そして、土方さんに何かを期待している自分が居る。


他の誰でも無い、土方さんに……


そっと、瞼を下ろせば一粒の涙が零れた。



「…何でこの時代に来たのか分からないのに、ちゃんと元の時代に帰れるのか心配で堪らない…。

後ね、この時代で私の時代のことは話さないようにしてたけど、ホントは少しでも良いから話したい。

この時代じゃ想像も出来ない世の中になってさ、私が居た時代はこんな風なんだよ、って教えてあげたい」



「…そうか」



私がそう言えば、土方さんは少し困った顔をして笑う。



「それから土方さんの手、凄く安心する…」



私は頭を撫でる土方さんの手を両手で掴むと、それに摺り寄るかのように自分の頬へと宛がった。