誠を通して見たもの…

「本当は、知ってたんだ」



その瞬間つぅ、と背中を冷や汗が伝い、正座した膝の上に乗せた握り締める手が微かに震えた。



「…なに、を…?」



何を知っているというのだろうか、土方さんは…。


何故か土方さんが次に発するであろう言葉に凄く嫌な予感がする。


出来ればこのまま何も言わないで欲しい…
出来ればこのまま何も気付いていない振りをして欲しい…



「お前が眠れてないことも吐いたのが今夜で三回目だってことも…。

なぁ、何で何も言わない?

苦しい時は苦しい…。

辛い時は辛い…、ってよ。

言いたいことがあんのに腹ん中に溜め込むから眠れなくなったり吐いたりすんだ。

溜め込むくらいなら誰かに話すなりして少しでも発散した方が良いに決まってる。

だから、言えよ。

お前が腹ん中に溜め込んでること全てをさ。

俺がちゃんと聞いてやるからよ」



一旦私から離れた手が再び触れる。


そっと、何度も頭を撫でる手に凄く安心する。