誠を通して見たもの…

土方さんの指が、掌が触れた目元や頬がゆっくりと熱を帯びる。


どくっ、どくっ、どくっ、と脈打つ私の鼓動は落ち着かないというよりも、不安や苛立ちで昂った気持ちを緩和するかのように安心感を与えてくれるものだった。


私は、怪しく黒光りする瞳を直視することができなくて目を閉じる。


目を閉じれば土方さんの優しく撫で付ける指の感触が鮮明になり、少し擽ったい。しかし、その感触をゆっくりと堪能する前に私の涙を拭っていた、少しひんやりとした手が離れてしまった。


急に私から離れていった手の感触が名残惜しくて、目を開ければ黒光りする瞳の中に優しさを孕んだ目とぶつかる。


そして……



「やっと、本音を言ったな」



「…え?」



真一文字に結んでいた口を緩めて優しく微笑んだ土方さんはそう言った。


その言葉の意味が分からなくて思わず私は聞き返す。