誠を通して見たもの…

そんなことを思った時だった。


背後からジャリッ、ジャリッ、と砂利を踏む音が聞こえた。良く耳を澄ませばその音はだんだん此方に近付いて来るのが分かる。


そして……



「おい」



私の真後ろで足音が止まると、次は頭上からそんな言葉が降ってきた。恐る恐る後ろを振り返れば草履を履いた大きな足が視界に入る。ゆっくりとその足を辿って顔を上げれば眉間にシワを寄せた土方さんが怪訝な顔をして私を見下ろしていた。



「…ひ…じ、方さん」



土方さんの名前を声に出せば、先ほどまで吐いていたためか上手く舌が回らず紡ぎ出す言葉が掠れる。



「お前、吐いたのか?」



地べたに座っている私に合わせて土方さんは屈むと私が吐き出した物を凝視する。


そんな土方さんの行動に恥ずかしさを覚えた私は顔を俯かせると、土方さんの問いに静かに頷いた。



「風邪でも引いたか?」



そう言って土方さんは私の前髪を払い退けると、露になった私の額に掌を宛てて熱を計る。土方さんの掌はとてもゴツゴツしていて少し擽ったかったけど、私は大人しく土方さんに熱を計ってもらっていた。


暫くして“熱はねぇな”と土方さんが言うのと同時に、土方さんの手が額から離れ、避けられていた前髪はハラハラと元の位置に戻っていく。