誠を通して見たもの…

「土方さんも知ってる通り僕は口減らしの為に試衛館道場に預けられたじゃないですか。

預けられた当初は知り合いもいなく、離れ離れになった姉さんが恋しくて堪らなくて、何で僕が…って、僕は要らない子なんだってずっと思ってた…。

さっき蘭花さんが“斬れば良い”って僕に言ってきた時、一瞬だけど蘭花さんの瞳があの時の僕の瞳に似てたんです。

何もかもを諦めたような、自分はどうなったって構わないというような、霊が宿って無い瞳に。

僕は近藤さんや皆と出会い生きる希望を見出だせた。

だから蘭花さんにも、先の時代から来た自分は異物だ、関係無いって思うんじゃ無く、僕達の処で生きる希望を見出だしてこの時代を生きて行って欲しいんです」



驚いた
沖田さんが此処まで私のことを考えていてくれていたとは…
正直嬉しくて堪らない…


恐らく最後の方は私に向けて言ったであろう沖田さんの言葉に、暫く私は声を発することが出来ないでいた。