電話を切ると、茜が部屋に入ってきた。
お風呂に入っていたらしく、髪の毛がぬれていた。
少し火照ったからだから湯気が出ている。
「誠に電話してたの?」
茜は濡れた髪の毛をバスタオルで拭きながら、俺に近づく。
俺はこくりと頷いた。
「…すぐに来るってさ」
「じゃ、着替えてくるね~」
「久しぶりに髪の毛乾かしてやるよ」
小さいころよくやっていた。
あの頃に少し戻りたい。
茜はふふっと笑い、手をひらひらとさせた。
「…よろしく」
着替えたばかりの茜の髪を俺はドライヤーで乾かす。
少しくすぐったいのか、茜はくすくす笑う。
「…くすぐったいか?」
「そうじゃなくて…懐かしいなぁって」
小さいころからよくやっていた。
あの頃よりも茜の髪は長くて…
乾かすのが大変だからと俺が乾かしてあげていた。
茜の髪の毛はさらさらとして、柔らかかった。
シャンプーの香りがふんわりと香る。
「確かにな。あの頃よりも…成長したな」
「特に蒼がね」
と、茜は嬉しそうに微笑む。
そんなに変わったかと俺は首を傾げる。

