だから…
茜がもう少しいてくれるように…



「二日だけ…こっちにいてくれないか?二人で…デートでもしよう」



茜がもう少し此処にいたいと思わせる。
俺の予想通り、茜は苦笑を洩らす。



「……そんなにあたしを帰したくないの?」



「あの頃みたいに…後悔したくないんだ。…あの頃したいと思ったことをやろうとしているだけだよ」



そう言って笑うと、茜は目を丸めた。
次、別れるときは後悔を残さないと決めた。
あの頃と違って…自由だから。



俺はすっと茜の前に手を差し出す。
そして、ニッと笑った。



「それじゃダメか?」



茜はふっと力なく微笑む。
そして、俺の手をぎゅっと握った。



「ううん。あたしも…もう後悔は残したくない」



茜が俺の手をとってくれたのが嬉しかった。
俺の気持ちに応えてくれたようで。