誠と話し終わって暫くした後、茜が家に帰って来た。
少し悲しそうな表情に俺は首を傾げた。
「茜…どうした?」
「…ん?何でもないよ。ちょっとあたし、葵さんと話してくるね」
そう言って茜は俺の傍から逃げるように俺の母親の元へといった。
そんな茜の異変に俺は首を傾げた。
その後も、茜は俺を避けているかのように俺の傍に来なかった。
それどころか、話もしなかった。
夕飯を食べ終わった後、俺はどこかおかしい茜の腕をぐいっと引っ張った。
そして、俺の部屋まで階段を上がっていく。
「茜…やっぱり何か遭っただろ」
俺は部屋に入ると、茜を見下ろし尋ねた。
茜ははぁーっと溜め息をつき、髪の毛を払う。
「…何のこと?」
「とぼけても無駄だ。幼なじみなんだからそれくらいわかる。いいたくないかもしれないが…言わなきゃ分からないだろ?」
「……言っても…蒼はあたしに『アメリカへ帰れ』というだけだよ」
それだけは嫌と茜は口を割ろうとしない。
俺は茜の目をじっと見る。
「俺のこと…信じてねぇのかよ?茜が嫌なことはしない」
「無理の蒼だったら…話したかもね。だけど…貴方はもう、あたしの知ってる蒼じゃない。今のあなたは…あの子も物でしょ?」
茜の瞳が涙でうるんでいる気がした、
俺は首を横に振る。
「俺は…変わってない。昔と同じだよ?昔と同じように……茜を想ってる」
茜は驚いたのか、目を丸める。
まさか…俺がこんなこと言うなんて思っていなかったんだろう。
「蒼…何言ってるの?」
「茜のこと…小さいころからずっと好きだった。成長して…忘れたはずだけど…忘れられなかった」
好きだから…忘れることなんて出いなかった。
芹奈のことは好きだよ。
だけど…俺の心の奥には茜を想っていた気持ちがある。
「だから…あの頃みたいに話してよ。黙って聞くから」
これがおれの気持ち
茜を今でも想っている。

