だから…茜がアメリカに行くといった日、茜の本音を聞けた気がした。
いつも涙を見せない茜が俺の前で泣いてくれたことが嬉しかった。
だけど…久しぶりに会った茜は昔と同じように強がっている気がした。
茜は何かを隠している。
それを言わずに悟られないようにしている。
「格好良いけど…それはあいつの強がりでも、こうありたいっていう姿でもある」
だから…こんなにも茜のことを目で追ってしまう。
無茶をしそうで心配なんだ。
「蒼…茜ちゃんのこと…」
「…え?」
一瞬、芹奈の表情が暗くなる。
俺が聞き返すと、芹奈は首を横に振り、にっこりと笑みを見せる。
「何でもない。あたしも茜ちゃんみたいに強くなれたらなぁ…」
「芹奈は芹奈じゃん。茜みたいにならなくていいよ」
心の底からそう思っていた。
だから、芹奈の顔が一瞬沈んだように見えて不思議だった。
俺は知らなかったんだ。
芹奈の中で一つの覚悟が生まれていたことを…

