蒼side
遊園地から家までの帰り道、芹奈はずっと浮かない顔をしていた。
必要以上に話さないし…どこか上の空。
いつもと違うのは、俺も感じていた。
「芹奈…大丈夫か?」
「え?…大丈夫だよ?」
そうはいっているが、俺は大丈夫じゃない気がした。
すると、茜が立ち止まる。
「じゃ、あたしちょっと寄るところがあるから。二人で先に帰ってて」
「あ、茜っ!?」
茜は俺が頷く前に走って行った。
もしかして…気を利かせてくれたのか?
俺は立ち止まり、芹奈を見つめる。
芹奈は不思議そうに俺を見た。
「…蒼?」
「何か…遭ったのか?さっきからおかしいぞ?」
「…何でもないよ」
「何でもないわけないじゃん」
いつもよりおかしい。
全然話さないし…
「茜と…何か遭ったのか?」
俺がいない間におかしくなったんだし…
茜と何か遭ったとしか思えない。
だけど、芹奈は頷かなかった。
芹奈は小さな声で呟くように言う。
「茜ちゃんって…格好良いね」
「格好良い?まぁ…昔とあまり変わってないな。男勝りっていうと少し違うんだけど…。いつでも自分に正直で、自分の決めたことにまっすぐで…弱さを見せない。確かに格好良いよな」
幼いころ、そういう茜が好きだった。
同時に、俺にもっと弱さを見せてほしいと思っていた。
茜は弱さを見せない。
いつも強がっていた。
だから…少しでも頼ってほしいと思ってた。

