「蒼に会いに来たんだよ。幼なじみとしてじゃなくて、『一人の女の子』としてね」
不敵に笑う茜ちゃん
あたしは一気に不安に襲われた。
茜ちゃんは蒼の初恋の人
きっと、茜ちゃんにとっても蒼は初恋の人なんだと思う。
昔、両想いだった二人。
想いあっていたけど、離れ離れになった。
もし、蒼が今でも茜ちゃんを忘れずにいたら…
きっとあたしには勝ち目はない。
不安な表情をしているあたしを見て、茜ちゃんはふっと笑う。
「別に今更、人の物になった蒼を横取りしようとは思っていないから安心して。ただ…この気持ちを伝えたかっただけだから」
「で、でも……蒼と付き合いたいんじゃ…」
だから…こうやって宣戦布告するんでしょ?
「決めるのは蒼だもん。あたしじゃない」
茜ちゃんの表情は何故か自信たっぷりで。
余裕な茜ちゃんの傍にいるだけで、あたしの不安は大きくなっていく気がした。
「お待たせ」
暫くして、飲み物を持った蒼が戻ってきた。
蒼はあたし達を見て、キョトンと不思議そうにする。
「…どうした?」
「何でもないよ。本当に可愛い彼女さんだね?」
そう言って茜ちゃんは笑った。
心からそう言ってくれているのは笑顔でわかる。
だけど、あたしは素直に喜べなかった。
さっきから茜ちゃんが言った言葉が頭の中でこだまする。
『蒼に会いに来たんだよ。幼なじみとしてじゃなくて、『一人の女の子』としてね』
常に自信たっぷりな茜ちゃん
そんな茜ちゃんと正反対なあたし
茜ちゃんだけには敵わない気がする。
あたしよりもいっぱい蒼を知っている。
ずっと蒼を想っている。
そんな茜ちゃんにあたしは勝てるのかなぁ?

