朝の眩しい光に目を細める。
芹奈と電話をした後、眠たくなってそのまま寝てしまった。



「眩し…」



「蒼ッ!!朝ごはん出来たよ!!」



その言葉にパッと目を開く。
がばっと勢いよく起き上がると、部屋の中に茜が入ってきていた。



茜はふんわりとした、可愛いらしいピンクのパジャマを着ていた。
俺は驚きで、口をぽかーんと開けてしまっていた。



「何で部屋にいるんだよ…」



溜め息を漏らした。
茜はくすくすと笑う。



「恥ずかしいの?小さい頃、一緒に寝てたことあるでしょ」



「昔の話だろ」



今は違う。
昔は子供だったから恥ずかしくなかった。
でも今は高校生だ。



そう言うと、茜はふーんとどこか嬉しそうに笑う。



「とりあえず、下りてきて。葵さんがご飯作ったから。あたしも手伝ったんだよ」



「…分かった。着替えて行くよ」



「すぐにね」



そう最後にほほ笑むと、茜はパタパタと部屋を出た。
茜が部屋を出たあと、俺ははぁーっと息を吐いた。



あの頃とは全然違う茜
10年も会わ無かったら普通なんだろうけど…



大人になってくと人は変わる。
分かってはいるけど、茜は変わらない気がしていたんだ。