彼女を目にしたら…そう考えると伝えられる自信がない。
自分もちゃんと自分の想いを伝えようと決めたばかりなのに…なんて臆病だろう。
そんな自分が嫌になる。
きっと…変わるのが怖いんだ。
すれ違うだけでよかった。
彼女の目はいつも真っ直ぐで…
凛とした姿に憧れていたんだ。
見ているだけでよかった。
すれ違うだけで嬉しかった。
だけど…彼女を好きと実感してから、前と同じ感情がもてないでいた。
隣を歩いてみたいとか、ちゃんと喋ってみたいとか…
どうしてもすれ違うだけの関係を打破したくなったんだ。
なのに…俺は臆病になっている。
打破するには…勇気を出さないと。
俺は大きく深呼吸をした。
明日こそ…会ったらちゃんと伝えよう。
そう決意し、俺は屋上を出ようとした。