それは買いかぶりすぎだと思う。
俺は思わず苦笑した。
そんな俺を見て、芹奈は優しく微笑む。
「だから…優しい蒼に寄り添っていたい…そう思ったの」
「…芹奈」
芹奈がおれのことをそんな風に想っていたなんて初めて知った。
俺はずっと、芹奈は遠藤先生のことが好きなんじゃないかと想っていたから…。
「……遠藤先生とは?」
どうしても気になってしまって、聞いちゃいけないとわかっていても聞いてしまった。
芹奈は嫌な顔をせずに答えてくれる。
「由貴さんは…ずっと一人のあたしを支えてくれた。だけど…由貴さんの隣にはあたしじゃない女の人がいた。それなのに、あたしは…由貴さんを縛りつけていた。だから…もう、終わりにしたんだ」
そう言って芹奈は悲しそうにほほ笑んだ。
俺は悲しそうな笑みを浮かべる芹奈をさっきよりも強く、ぎゅっと抱きしめた。
「これからは…俺が傍にいる。だから…一人でいるなよ?」
「…うん、ありがと」
芹奈を抱きしめている時、俺は芹奈が小さな子供のように思えてきた。
寂しがって…だけど、なにもいいだせないでいる子供のようだった。
きっと…芹奈には悲しい過去があるんだと思う。
だけど…それは聞けなかった。
芹奈がおれにまだ話さないということは…
まだ信用されていないんだと思う。
もっと…芹奈に頼りにされるように…
ずっと…芹奈の傍にいて、支えるから…。

