蒼side
『蒼のこと…好きなの』
屋上に来た彼女は俺にそう言った。
俺のことを…?
それはまるで、夢のようだった。
嬉しくて彼女を抱き締めたかった。
手を伸ばしたくても、伸ばせない。
君に近づくことはできない。
「俺は…」
君のことを抱きしめたくても抱きしめられない。
君の手を握りたいけど、握れない。
もう俺は…君の傍にいれないから。
君に…悲しい顔させてしまったから。
君は気付いているだろうか?
俺に想いを告げた時、悲しそうにしていた。
そんな顔をさせたのは俺…なんだろう?
「その気持ちに応えることができないよ」
「あたしのこと…嫌いなの?」
彼女の目が涙で潤む。
俺は首を横に振った。
「それは…違う。むしろ…」
『君のことが好きなんだ。』
そういいたのに、声にならない。
言葉にしたいのに、言葉にならない。
「…ごめん」
それしか言えない。
自分の気持ちを伝えるって決めたのに…

