「はぁ…はぁ…」
走ってて息が上がってしまう。
それでもあたしは屋上に向かって走り続けた。
バンッ!と大きな音をたてて扉が勢いよく開く。
息を整え、あたしは空を眺める『彼』の背中を見つめた。
「桐谷…くん」
「……芹奈?」
この距離は…今のあたし達の距離似ている。
こんなに近くにいるのに…傍に行けない。
君の傍に行くために…
あたしは勇気を振り絞るよ。
ちっぽけな勇気でも…
君に伝えるために…この想いを伝えるから。
「桐谷くん…あたし…」
心臓の音がドクンドクンうるさく鳴る。
こんなに緊張したのは…初めてだ。
「君のこと…」
唇が震える。
声がどんどん小さくなってく。
それでも、真っ直ぐ君を見つめる。
君だけにちゃんと伝えるから。
「蒼くんのこと…好きなの」

