そんなの…ダメだよ。
自分を傷つけて、あたしを傷つけないように守るなんて。
「お願い、芹奈ちゃん。あたしも彼氏も…蒼くんが本当に好きな子と付き合ってほしいと思ってるの。蒼くんが自分の気持ちに正直になるには…芹奈ちゃんの力が必要なの」
「あたし…の?」
「好きな者同士…傍にいたほうがいいんだよ」
そう言って杪ちゃんは少し悲しそうにほほ笑む。
「蒼くんは…自分の気持ちに気付いてる。だけど…彼女さんは蒼くんを離したくないみたいなの」
「そんなの……ダメだよ」
そんなの蒼くんを苦しめるだけ。
あの子も傷ついてしまう。
これ以上、誰も傷つけないために…
あたしは自分の想いを彼に伝えないと。
「杪ちゃん…あたし…伝えるよ」
自分の為にも。
この気持ちを彼に伝えたい。
そう言うと、杪ちゃんは嬉しそうにほほ笑む。
「…うん。蒼くんなら屋上にいると思うよ」
あたしは杪ちゃんに一言お礼を言い、教室を出て屋上に向かった。

