蒼side



芹奈が入院してから三日が経った。
それなのに、俺の目はどうしても芹奈を捜してしまう。



捜しちゃダメだ。
俺に関わったら…芹奈が傷ついてしまう。



「蒼先輩…?」



隣で歩いていた愛は不思議そうに顔の覗き込む。
俺は首を横に振り、愛に向かって微笑む。



「いや…何でもない」



そう言ってごまかしたけど、愛の目はごまかされなかった。
少し悲しそうにほほ笑む。



「芹奈さん…まだ学校に来れないんですか?」



「さぁ…」



あれから…会ってない。
遠藤先生には会ったけど、詳しくは教えてくれないし。



「…先輩、芹奈さんが学校来たら…謝りたいんで教えてくれますか?」



「…あぁ。教えるよ」



俺が頭をなでると、愛は嬉しそうに笑う。
愛と付き合って三日。



愛は純粋に俺が好きなんだと傍にいて気付いた。
だから…許せなかったんだ。



「なぁ…愛。どうして俺のこと、好きなんだ?」



俺よりいい人はきっといっぱいいる。
俺じゃなくても…いいはずなのに…



そう言うと、愛はくすっと笑う。



「自分自身も気づかないんですよ、自分のいいところ。先輩は…先輩自身が思っているよりもいいところ、あるんですよ」



そう言って俺の手をギュッと握った。



「先輩、行きたいところがあるんです。……付き合ってもらえますか?」



「あ、あぁ……」



愛は嬉しそうにほほ笑み、俺の腕をグイッと引っ張る。
子供のように無邪気な愛に、俺も自然に笑みがこぼれた。



愛が俺を連れてきたのは雑貨屋だった。



「ちょっと待っててください」



俺は頷き、店の外で愛を待っていた。
すると、携帯が音を鳴らす。