「いっそのこと、告ればいいんじゃねぇ?」
その投げやりな言い方に俺は溜め息をつく。
誠に相談すると、最後はいつもこうだ。
それが誠らしいんだけど…少しは考えてほしい。
「出来たらお前になんか相談しない」
「確かに」と誠はゲラゲラ笑う。
時々、なんで誠と友達になったのか疑問に思うときがある。
昔はこういうタイプ、好きじゃなかった。
なんか…振り回される気がした。
きっと…友達になっても、長くは続かない気がしていた。
だけど…何故か今も友情は続いている。
「でも…進まねぇとずっとこのままだ。そんなの嫌だろ?…前に進むためにはある程度、リスクは負わねぇといけねぇんだよ」
ああ…こういう所があるから今も続いていられるんだ。
誠は投げやりな言い方をしても、絶対最後には俺にアドバイスをくれる。
「…ありがとな」
だからこうやって、俺は今でも誠を頼っているんだ。
「…ちゃんとやれよ?」
「あぁ」
前に進むためには…今のままの状態を打破するには、彼女に俺の気持ちを伝えなければいけない。
「早速、伝えてみるよ」
俺の気持ちが変わらない内に、彼女に伝えたい。
次、彼女とすれ違ったときに伝えよう。
「…そうか。頑張れよ」

