俺は…父親に連れられて、母親と過ごした家を出た。
「親父はいつも言ってた。『芹奈には近づくな』ってな」
俺がこのことを知ったのは…大学に入ってからだった。
「聞いてしまったんだ。親父が芹奈の父親と話してのを…」
そして知ってしまった。
父親が母親と離婚した理由。
芹奈の母親が自殺してしまった理由。
芹奈の父親は…再婚していた。
俺の母親と…。
芹奈と暫く距離を置いていた俺は同時に後悔した。
どうして…傍にいてやらなかったんだろう…と。
一番傷ついているのは芹奈なのに…
「俺は…芹奈に会いに行った。久しぶりに会った芹奈は…抜け殻のようで、今より酷かった」
辛かったんだろう。
母親の原因が…同じくらい大好きな父親だったこと。
その父親が…俺の母親と再婚したこと。
どうして再婚したのか…俺は知らない。
だけど…芹奈は知ってしまった。
だからなんだろう。
芹奈が…「孤独」を選んでしまったのは…。
半分は俺のせいだ。
俺が傍にいなかったから。
あの時…父親に反抗していれば…
芹奈は…傷を今も負わずに済んだかもしれないのに…。
後悔してももう遅い。
だから…決めた。
俺が…芹奈の傍にいて、守ってやると。

