由貴side
芹奈の父親…楠 蓮(くすのき れん)は見合いで出会った古崎 真美(ふるさき まみ)と結婚した。
蓮がどうして真美と結婚したのかは分からなかった。
結婚する直前まで、遠藤先生の母親、小村 明(こむら あき)を交際をしていた。
明は悲しみに暮れた。
結婚の約束をしていたはずなのに…裏切られた。
それでも…蓮を想っていた。
明はある日、蓮の親友、遠藤 透(えんどう とおる)が自分に好意をもっていることを知った。
その時はまだ、明は蓮を想っていた。
なのに…秋は透に結婚を申し込み、二人は結婚した。
住む家は蓮の隣。
明は少しでも蓮の傍にいたかったんだ。
蓮、明、透は昔からの付き合いで仲が良かった。
その中で真美は孤独を感じていた。
それでも…蓮のことを慕っていた。
想っていたから、平気だった。
そして数年経ち…明が妊娠し、子供が生まれた。
それから何年かした後、真美にも子供が生まれた。
「それが俺と芹奈。生まれてから俺たちは…兄妹のように育ったんだ」
いつでも傍にいれたのは、両親たちが仲が良かったから。
俺から見て…芹奈の父親と母親は仲が良く、お互い愛し合っていたように見えた。
だけど…それは『偽り』だった。
俺たちが大きくなって…芹奈が小学生になった頃、芹奈の母親は自殺した。
それはそれは穏やかな笑みで…。
どうして芹奈の母親が自殺したのか…俺と芹奈は分からなかった。
ただ、涙を流し、悲しみにくれる芹奈を俺は守っていかなきゃと思った。
それから一週間後――――
学校から家に帰ったら、父親と母親が喧嘩をしていた。
『どういうことだっ!!いつからあいつと…』
『彼が…結婚する直前まで…よ。あたしはそれ以降も彼を…愛していたわ。貴方よりも』
残酷だった。
自分のことよりも親友のことを愛していた。
それは父親にとって、裏切られたと同じだったんだと思う。
父親は…しばらくして母親と離婚した。

