蒼side
朝、登校しても彼女と会うことはなかった。
珍しいな…と考えていると、授業なんかできるはなくなった。
俺はぼーっと廊下を歩いて屋上に向かおうとした。
その途中――――
『…ばいいのに』
いつも開いてないはずの誰もいない教室から声が聞こえた。
その声は、あの時俺に告白してきた女の子の声。
俺は嫌な予感がして、扉を開けた。
目に飛び込んできた光景を見て、思わず叫んだ。
「芹奈っ!」
目に飛び込んできたのは、あの子が芹奈の首を絞めるところ。
俺の声を聞いた瞬間、女の子の手がするりと芹奈の首から落ちる。
「せ、先輩…」
「森川、話なら後で聞く。とりあえず、そこをどけ」
「彼女のこと…何で…」
「どけっ!!」
柄にもなく口調が荒くなる。
森川はびくんと肩を動かし、ぽたぽたと涙を流す。
そんな森川の横を通り過ぎ、芹奈の身体を抱き上げる。
そして、涙を流す森川を無視して俺はその教室を出た。

