彼女はしゃがみ、ゆっくりと手をあたしのほうに近付ける。
そして、あたしの首に手をかけた。



「貴方なんか…死ねばいいのに」



彼女の消えそうな言葉の後、のどが苦しくなる。
彼女の手があたしの首を力強く締めようとする。



苦しい…。
お願い…止めて…。



昔の思い出が頭をよぎる。
前にも…こんなことがあった。



もう…忘れてしまった。
記憶から消し去ったはずなのに…



鮮明に蘇る、あの光景。



お願い…死にたくない。



そう…心の中で叫んでいた。



誰か…助けて…。



『芹奈っ!!』



消えゆく意識の中、あたしの名を叫ぶ声が聞こえた。



助けに来てくれたの?
でも…その姿が誰なのか、あたしは分からなかった。



すぅっとあたしの意識はそこで途絶えてしまった。